見ての通りのピカチュウ。可愛らしい。
高さ約8センチの手乗りサイズで愛くるしい。
とはいえポケモンが世に登場した頃には既に20代後半。
ゲームソフトもTVアニメもハマるような年頃はとっくに過ぎていた。
ではなぜ購入したか。
それはこの玩具が持つただ一つの機能に惹かれたからだ。
分かりやすく言えば「二者択一助言機能」。分かりやすくないか。
音に反応するセンサーが内蔵されていて、
近くで発せられた声や音に対して2種類の応答をする。
一つは明るく弾んだ鳴き?声で「ピカピカ、ピカチュウ」、
もう一つはいかにも不満げに「ピ~カ~ピ~カ~」と訴えかける。
前者が「YES」ないしは「OK」、後者が「NO」「NG」と判断できる。
どちらの応答になるかは完全にランダム。実はそこがミソだ。
「明日晴れるかな?」から「この仕事向いてないかな?」まで
ありとあらゆる問いに対して簡にして要を得た「お告げ」をもたらしてくれるのだ。
雑誌で取り上げられているのを見てどうしても欲しくなりまもなく入手した。
正直、1週間くらいで飽きてしまったがそれなりに楽しんだ。
実はこれが気に入ったのにはわけがある。
中学・高校時代に熱中した星新一のショートショート中に
この玩具と同じ「二者択一助言機能」を持った装置が登場する話があったからだ。
その装置はもっと大型で高価で、内蔵された最新のスーパーコンピュータが
質問をあらゆる角度から綿密に分析した上で
「そうすべきである」「それはしないほうがよい」とアドバイスする。
優柔不断な主人公はこの装置のお陰で迷いがなくなり、
仕事では出世を重ね、幸せな家庭を築き、人生大成功。
ある日、装置の中身が気になり覗いてみると…
そこには複雑なコンピュータなどは一切なし。
いわゆる「コイントス」で回答が決められていたことを知る…。
最後のオチは伏せるとして、だいたいこんなストーリーだった。
このピカチュウはまさにその話で登場した装置を現実化したものと言える。
1000話以上ある星新一のショートショートのうち、
900話以上は読んだと断言できるほど熱中した当時。
懐かしくて即「ゲットだぜっ!」となりました。
ちなみに星新一はここ2~3年人気が再燃してるとか。
マンガ化されたり、最近はNHKでアニメ化もされている。
たま~に読みたくなるがそこはじっと我慢。
もっと歳をとってから、ストーリーの記憶がほとんど消えてしまってから、
新たに全集を入手して新鮮な気持ちで読もうと決めているからだ。
今から楽しみでしょうがない。
でも未だ記憶が鮮明で、タイトルを聞けばあらすじが言える作品がたぶん数百ある。
青年期に持っていた文庫はそれぞれ10回以上は読んだからなあ。
あ、言い忘れたけどこのピカチュウ、
YESの時には首をタテに、NOの場合はヨコに振ります。